コンビニの清水に学ぶストレスを溜めない接客術

コンビニバイトをしているのは主に10代後半から20代前半の若者が多いと思われるが、その若さゆえに同僚や店長、そしてお客さんとの人間関係に悩む場面にたびたび出くわしていることだろう。

Yahoo!知恵袋を代表とする掲示板サイトを見てみるとそういった書込を多々見かける。そんな時に見てもらいたいのが「コンビニの清水」だ。

これを読めば、あなたのコンビニバイトにおける悩みをもしかしたら解決してくれるかもしれない。もしかしてだけど。

マンガ「コンビニの清水」

「コンビニの清水」はビッグコミックスペリオールにて、12年16号から14年12号の約2年間連載されていたマンガだ。著者は津村マミ。

謎の老夫婦、清水夫妻がオーナーを務めるとあるコンビニエンスストア「コンビニの清水」が物語の舞台。

悩み事のない人間なんてこの世にはいないと思うが、コンビニの清水へ来店するお客さん達も御多分に洩れず、それぞれに悩みを抱えている。

その事情を知ってか知らずか(多分知らない)、清水夫妻はその悩みの元をえぐるような態度でお客さんの前に立ちふさがる。

時に戸惑い、時に激怒するお客さんたちだが、それを勝手に試練だと思い込み、もしくは考え方を変えるきっかけにし、最後には皆スッキリして帰っていく。中には救われない人もいるけど。

出版元の小学館のサイトに行くと、清水夫妻をハートフルでハートレスな老夫婦と形容しているが、まさにその通りで彼らの接客はとても褒められたものでは無い。

・目つきが悪く無表情
・レジ打ちが遅い
・お客さんもろともハエを叩こうとする
・生理用品を買おうとする女子高生や、エロ本を買おうとする青年に自信を持てと説教
・お客さんの容姿について平気で失礼なことを言う
・コンドームを買おうとする高校生に対して愛はあるのかと説教

自然体で自分に正直でいることが大切

普段、コンビニバイトをしていて、お客さんに対して失礼のないようにビクビクしている人にとっては呆れてしまうような傍若無人ぶりである。

念を押すがコンビニの清水はマンガだ。フィクションである。都合のいい話になっている部分は沢山ある。しかし、お客さん一人ひとりを見て、よくも悪くも接客をしている。

その点においては誠実な人たちだなと思うのである。清水夫妻には気負いがない。常に自然体で自分に正直だ。

それは、高齢だし、オーナーだし、そういった事が許される立場だということを理解しているからなのかもしれないが嫌味な感じはしない。いや、感じることもあるな(笑)

だからというのも変な話だが、バイトだったとしても気負うこと無く、少しくらいのミスや不手際など恐れずに接客してみてほしい。

考えてもみてほしい。今や生活になくてはならない存在のコンビニ。バイトひとりの粗相でそのお客さんが二度とお店にこなくなる事は考えづらい。

便利で必要不可欠なのだから出禁くらって困るのはお客さんの方なのである。これは、あくまでも接客に自信を持てない人向けに書いているので都合のいいように捉えないでほしい。

さて、作中にもアルバイトの女の子が登場する。名前は佐伯小春さん。劇団に所属して舞台女優を目指す19歳だ。

圧迫面接の末に、世間知らずで歯が浮くようなことを平気で言えるところを見込まれ、つぶやきネタ提供を条件に採用される。

そんな彼女は勤務初日にピンチをむかえる。わからないことがいっぺんにやってきたのだ。

やってきたのはルックスで性別の判別をするのが難しいお客さん。おかげで客層キーを押せない。声で判別しようと質問攻め。

「パスタ温めますか?」→客「はい。」
「フォーク付けますか?」→「はい。」
「スプーン付けますか?」→「はい。」

だが分からない(笑)

またひとつ迷うことが。商品を同じ袋に入れるか否か問題。

雜誌と温めた食品て一緒にしてもいいのかな?
いや、お客さんは松葉杖をついてるから一緒にしてあげよう。

「袋は全てご一緒でよろしいですか?」→「はい。」

内心、ガッツポーズを決めるがアイスがあることに気づく。熱々のパスタと一緒だと溶けちゃうし。もう一度聞くか?いや。私さっきから質問攻めにしてるしどうなの?あああああぁぁぁぁぁ・・・

と、考えすぎてお客さんひとりに時間をかけすぎてしまう始末。見かねた清水夫妻。「お客さんがレジン求めるのはスピードである。」

まさにその通り!私に言わせると、なんにも質問しないで常識的にベストと思われることを勝手にして、無言で帰らせてくれるのが一番気持ちいい。

清水夫妻は即答する。
「男性30代!」→客「女です」
「当然アイスは別の袋へ。」→客「すぐ食べるので一緒でいいです。」

マンガらしく、すかさずツッコミが入るのだけれど、これは、袋に関して言えば客の意志とは違う対応をとってしまうのだけれど、お客さんに言わせるときっとどっちでもいいことなのである。

一緒にしても、別々にしても何も言わずに持っていくでしょう。それくらい、どっちでもいいことっだったりする。

きっと、節約のために、ほしいか要らないか聞くという意味もあるのでしょうが、お客からしてみると何も聞かないでというのが本音のところでしょう。

さてさて、そんなコンビニの清水は小学館のサイトで試し読みができるので興味のある人は読んでみてほしい。